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2010年8月 3日 (火)

エピソード26:「KIND OF BLUE]のハウス・トリオが変更になった。

<前回より続く>

ピアノの赤木君が独立してゆきたいという希望と以前ここで弾いていた河田吾郎がNYから戻って、安定して弾ける場が欲しいという時期が一致した。

ピアノ:河田吾郎、ベース:山田明、ドラム:大野寿和、ベースとドラムは変わらずだ。

20XX年4月のある金曜日、この新トリオ発足の記念ライブを開催した。

相も変らぬ常連客と偶に顔をだす連中とが、客席を埋めていた。

7時の音出しに6時半から一杯になった、やはり新トリオ、それも河田に期待するところが大きいのだろう。

実はこのライブ・イヴェントに先立って、昨日、簡単な音合わせということで、この三人が集まり、リハをやった。

トリオ形式で出す河田の音はいっそう迫力を増し、ドライブ感を、そしてグルーヴを感じさせるものだった。

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7時丁度に大野が「始めますか」と声をかけ、位置についた。

お客は全員が一斉に静まった。

一曲目:「HERE THAT RAINY DAY」

河田が昔から好んで弾くスタンダードだ。

ミディアム・テンポで、頭の1小節に気持ちRITTOを掛けて、メロに入った。

このRITTOがスィングする前兆だ。

2小節目で拍手が鳴る、分かっている連中だ、この拍手のタイミングも大事だ、これで演奏者は気分がのる。

まだ、今日は、例のスタンウエイーだ、でも来月にはベーゼンドルファーがくる、その事を頭に浮かべて演奏を聴いている。

テーマが終わって、アドリブに入る手前でブレイク、ドラムのロールからソロに入る、この「タメ」も微妙なスイング感に繋がる。

あくまでも後ノリで、でも遅れずに・・。

河田のスイングの弧が大きい、大きくユッタリとゆれる、音の粒が揃っている。ピアニッシモでもフォルテシッモでも同じ音質で、そして16分音符の早いパッセージも、音にばらつきが無い。

ゼンさんは、「また、一つ成長し、何かをつかんだな」と思った。

ピータソンの華麗さではない、むしろ素朴な音。でも人の心をシッカリとつかむ音、こんな音を聴いたことがあったろうか。

フレイズはあくまでも単純に、でもそのモチーフからの展開と発展の仕方がスケール大きく、豪快だ。

ソロは徐々に進む、ブロックコードでのフレーズになる、音の積み重ねが重厚だが、スイング感はそのまま維持しいる。

気持ちの良い弧に揺られている・・・聴くものが皆そうだ。

ソロはピアノだけだ、冒頭の曲はピアノだけでエンディングへともってゆくみたいだ。

ベースの山田君が何時に無く気持ちよさそうに、音を伸ばしている。ベースのコード進行とピアノのソロフレーズが見事にシンクロし、対位法をとって、絡まってゆく、コーラスの最終4小節には気持ちよく解決している。

ヲーキング・ベースがまるでメロの様に聴こえる。

トリオという形式でもピアノが変わるとこれほどまでに、アンサンブルが変わるものかと、実感していた。

二曲目は「WILLOW WEEP FOR ME」 続いて「AUTUMN LEAVES」で最初のステージを終えた。

メンバーが後部のソファーに戻ってきた。

ゼンさんはうなずいた。

第二ステージには、アルトの大田君が駆けつけて飛び入りをした。

大田君が河田に耳打ちをした。

河田は、巡回コードを繰り返した、大野が8ビートを叩く。

ゼンさんはもう分かった・・・・「SUNNY」だ。

アルトがテーマを吹き出したとたん、「オーゥ」という声と拍手が起こった。

リズムが粘る、この粘りがないとこの曲は活きない、メロとリズムの粘り比べだ。

でも、河田吾郎のこの粘る8ビートは当にゴスペルに通じるものがある。

富田さんの顔も紅潮して目が輝き、身体全体でリスムをとっている。

夜は長くなりそうだし、これからのこのハウストリオが楽しみだ。

ゼンさんは立ちぱなっしで腰が痛い。

<作者註:河田吾郎のイメージ=本田竹広+菅野邦彦+ローランド・ハナ+ウイントン・ケリーと考えてください。難しいですか?(笑)作者の勝手な我侭です、お許しを!>

<次回へ続く>

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