« エピソード58:「ジャズライブTV放送」 | トップページ | エピソード60:「今夜のゲストはマーク・マーフィーの巻」 »

2010年10月28日 (木)

エピソード59:<ゲストはハンク・モブレイ、仮想のジャズクラブから妄想のジャズライブTV番組を!>

<前回より続く・・・ジャズクラブからのTVライブ放送の始まりだ!>

悩みつづけたキャスティング・・やっと決まった。

バイリンガルで知性派のピーター・ブラウン君はもう45歳。そして藤峰子36歳・・・女性ピアニストで弾き語りもできる。

これなら大人のジャズ番組になるだろう。

そして気になる今夜のゲストは・・・・

いや、早まらずに番組を追おう。

前回の台本通り、番組は河田トリオの「Cジャム・ブルース」で始った。

カメラはお店の内部の雰囲気とお客さんを映し出し、トリオの三人を順に追ってゆく。

テーマの「Cジャム・ブルース」が終わると、間を開けずに、トリオで「OUR LOVE IS HERE TO STAY」がミディアム・ファーストで始った。

カメラは司会進行役の二人のテーブル、テーブルのキャンドルとトリオの演奏を淡々と映す、余分なセリフや解説は不要だ。

トリオは快適にスイングしている、臨場感がたっぷりだ。

TVを観ている視聴者もなんだかお店の中にいる気持ちになる。ここが大事だ。

演奏が終盤に差し掛かりゼンさんが司会役のテーブルにつく。

演奏が終わり、クラブ内は拍手・・・

ここで初めて司会が口をひらく、「さあ、ゼンさん、今夜のゲストは?」

ゼンさんが答える「今日はこの番組の最初にふさわしい、ジャズらしい、一音聴いただけでジャズという音の渋いテナーを紹介しましょう、そう、ハンク・モブレイです」

ピーターが「では、早速、最初の曲を・・REMEMBER!」

070502afuso_009

ハンク・モブレイがミディアム・スローの伸び伸びとしたテンポでブルースフレーズを吹く。

いつもの、やさしい、哀愁をおびた音色で別に力むことなく、リラックスしたブルースだ。

聴く者の方からも力が抜けて気分が楽になってゆくのがわかる。

モブレイは3コーラスのソロをとり河田に廻した。

河田は、その雰囲気をそのままに、右手のシングルトーンによるアドリブをブルージーに展開し、あえて左手は付点八分の遅れでフィルインしアクセントを軽くつけるだけだ。

ダルなテンポだけど、緩まず、フレーズはシッカリと組み立ったている。

一本のテナーで雰囲気が一気に変わった。

お客はモブレイの独特の音質とフレーズの末尾のスラー気味の高音域に哀愁を感じ、時々超低音のアクセントが「ボッ」とはいる・・・モブレイらしさに酔いはじめている。

この十二小節の典型的なブルースを堪能して、モブレイがテーブルに来た。

51ys5ggdhzl__ss500_

1930年生れのシャイな男はシャガレ声で挨拶をした。

テナーは饒舌だが話は寡黙な感じだ、ピーターが質問をする「いろいろな人のセッションに参加していますね」

「うん、最初はR&Bのバンドにいたんだけど、マックス・ローチにさそわれてNYに来たんだ。それからいろんな人とやったね」

「ジャズメッセンジャーズともやりましたね?」

「うん、あの頃は良かったね、毎晩が楽しかったね、ブレイキーのバイタリティーに皆が乗ってね」

「ところでマイルスとはどうでした?」

「マイルスがやろうと呼んでくれたけど、彼はやはりトレーンを求めていたのだろう、またジミー・ヒースともやりたかったらしいけど、ジミーがヤクで捕まって保釈中で旅に出られなかった、だから僕に誘いがあったというところだな。」

「サンフランシスコのブラック・ホークでも何週間かマイルスとやったけど、テーマのアンサンブルを彼が指示してそれさえやれば、後は自由だった、ケリーやチェンバース、ジミーがバックだったから気の知れた中で楽しくスイングしたよ。でもそれがマイルスには通じなかったらしい。マイルスが求めていたものはもっと違う方向だったんだ。」

「そうだったのですか、当時の貴重な話をありがとう、では次の曲は?」

「IF I SHOULD LOSE YOU」

モブレイはテナーを抱えてピアノの脇に立った。

カウントを出した、少し早めの、ミディアム・ファーストのテンポだ。

相変わらず、中音域の音色が染み込んでくる。

こいうスイング感とグルーブ感こそジャズ本来の持ち味だろう。

山田の太いベースと大野のレガートのアフタービートがピタッとあっている。

この気持ち良いリズムの上でモブレイの音の伸びがいい。

続く、河田のピアノソロはシングルトーンからブロックコードへと煌く音でファンキーな繰り返し三連符でころがる様にスイングしている。

大野のドラミングも、コーラスの末尾からスネアロールが入り頭でバーンときまる。

ピアノのソロの次にドラムとテナーの4バース・チェインジで徐々に盛り上がってゆく。

再度テーマに戻り、ゆったりとした大きなノリで最後が締めくくられた。

店内の拍手が凄い、ハウストリオがエンディング・テーマ「THANKS FOR THE MEMORY」を始める。

司会の藤さんが「ではまた次回をお楽しみに・・次回のゲストは男性ヴォーカルの登場です」と締める。

ピーターと藤さんが、二人で店を出て、車に乗る、車が中庭からユックリと出て行く、画面がテーマにのってフェイドアウトする・・・。

さあ、次回のゲストは誰だ?・・・最高にカッコイイ男性ヴォーカリストです、お楽しみに・・・

<次回へとますます続くのだ>

« エピソード58:「ジャズライブTV放送」 | トップページ | エピソード60:「今夜のゲストはマーク・マーフィーの巻」 »

「音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1371081/37430639

この記事へのトラックバック一覧です: エピソード59:<ゲストはハンク・モブレイ、仮想のジャズクラブから妄想のジャズライブTV番組を!>:

« エピソード58:「ジャズライブTV放送」 | トップページ | エピソード60:「今夜のゲストはマーク・マーフィーの巻」 »