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2010年11月 5日 (金)

エピソード63:「エリック・ドルフィーという名の男」

<前回より続く・・・今夜は誰がやってくるのか・・・>

久々の休日、ゼンさんは一人で妄想と幻想のジャズクラブ「KIND OF BLUE」にいた。

人気の無い、クラブでピアノを前にして、壁のジャケットを見やっていた。

もう外は夕方6時を過ぎ、暗くなりかけていた、階段を下りてくる足音がする、誰だろうか?

一人の黒人が大きな楽器ケースを抱えて姿をあらわした。

どこかで見たような・・・?

「ハイ」と声をかけた、男は静かにうなづき、楽器を出し始めた。

見慣れぬ楽器だ、長い管楽器でマウスピースに至る部分はテナーの様だが異様に長い。

マウスピースを取り付けると、やおら吹きだした・・・「オレオ」だ。

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短い独特のテーマを吹く、センさんはピアノのふたを開けて、キーを確かめるようにコードをおいた。

キーはDフラットだ。

かなり早いテンポで進んでゆく、ゼンさんはむしろテンポより間を考えて音を置いた。

そう、低めの音よりピアノは高めの硬質な和音の方がよさそうだ。

楽器はバスクラリネットだ。

ソロに入った、重い音を出す楽器にしては流麗だ。

ゼンさんはコード進行を考えることを止めた、むしろ音を聴いて反応をした方が良いと思ったのだ。

その男はソロを延々と続けた、溢れるようなフレーズは留めを知らず、一体どれほどのアイデアを持っているのだろうかと・・決してマンネリな繰り返しフレーズが出てこない。

20分ほどソロをとった男はゼンさんの方を見て頷いた。

ゼンさんがソロをとった、かなりフリーな演奏だ、ブロックコードでパーカッシブなフレーズを続けた。

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陰陽、序破急を明白に決める表現で弾き続けた、15分ほど弾いただろうか、男は急に超低音から一気に高音に駆け上がっり、再びソロに入り、テーマに戻った、エンディングをカデンツァ風につくりあげ、最高音で音が徐々に消えていった・・・らその音と共にその男の姿も消えていた。

ゼンさんは不思議な満ち足りた気持ちになった。

その男の名はエリック・ドルフィー・・・・。

<今、ドルフィーの本を読んでいました・・・転寝の中で見た夢かもしれません>

<次回へと続く・・・>

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