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2010年12月10日 (金)

エピソード71:閑話休題 「青年はNYをめざした、黒田卓也(Tp)を聴く」 

<出演メンバー>

Tp&Flg:黒田卓也、TsEzra Brown, TsJamaal Sawyer, P: Warren Fields,

B: 中林薫平、DrAdam Jackson

<主な演奏曲目>

Half & Half, Window Machine, You’re trying to leave me, Bitter & High, Going home(以上オリジナル)、Round Midnight, For all we know,

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黒田卓也というトランペッターがNYを拠点に活動し、偶に帰国してはジャズ・クラブで評判をとっていると聴くに及んで一度生の音を聴いてみたいと足を運んだ。

三管編成で第一曲目(オリジナル・ブルース Half&Half)で得た印象は“New Hard Bap”。最近の若いミュージシャン達が変拍子や複雑なモードチェンジ奏法に走るなか、オーソドックスにスイングする新鮮さを感じた。

当日は彼の新譜(自主レーベル)「Bitter & High」の発表を兼ねたライブであった。メンバーの構成はそのレコーディングを供にしたメンバーでベースが黒田卓也と学校時代からの仲間であった中林薫平に代わっていた。テナーのエズラが35歳、黒田と中林が30歳そして他は26歳という若いメンバーでありながら、流行に流されず、先ずは楽しく、伸び伸びと表現することに共感を覚えた。

そして若手のメンバーが既に自己の個性を確立し一人前になっていることに驚いた。特にピアノとドラムは未だ26歳、シッカリとしたテクの上に抑制の効いたフレーズでジックリとスイングするあたりは大人の味を感じさせ10年後が怖ろしいと感じたしだい。

主役の黒田卓也は米国人の編成でなるバンドのリーダーとして堂々たるもので、思いっきりファンキーでブルージーにグルーヴするソロを展開し、スモーキーな美しい音色の持ち主である、そしてジャズ特有の猥雑さも交え、聴く者を楽しませるペットでもある。

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学生時代にクリフォード・ブラウンに憧れたと聞くに及んで納得した。加えてアルバムにも収録されているが、作曲にもその才能を発揮している。今後もNYを拠点に活動すると言っているが、年に何度かは帰国してその成長振りを聴かせて欲しいものである。

そして今後、「哀愁、憂い、哀しみ・・」と言った音色のグラデイションを加えた深みのある表現者になる事を期待したい。その為には音楽修行より人生修行を積むことだろう。国境を越えた、楽しみな元気な若者の登場であった。

<Side Data>

1980年生まれ、兵庫県出身、兄がトロンボーンを吹いていた影響で12歳よりトランペットを始める。中学から大学までビッグ・バンドに所属、クリフォード・ブラウンに憧れていた。2003年に渡米、New School Unv.ジャズ科で学ぶ。2007年に自己のバンドを結成、ツアーを敢行。ジャズのジャンル以外にもJUJUやJose Jamesにも作品を提供、プレイヤーとしても参加。米国ではギターの吉田次郎の指導を得て今に至っている。

<黒田卓也が楽曲を提供した話題の男性シンガー、ホセ・ジェームスのコメント>

※「黒田卓也はジャズという音楽がグローバルな存在である事の証明である。彼の音楽は美しく歌心にあふれ、まるでポエムのようだ。最新アルバム「Bitter&High」からの1曲「Feet-Tap」の彼の演奏は本当に素晴らしく、多々いる現在のトランペッターの中でも私の数少ないお気に入りの一人に挙げられる。また、演奏もさることながら作曲にも大いに才能を発揮し、伝統がしっかりと継承された、まさに現代のハード・バップといえる。」

<ジャズオルガンのベテラン・ミュージシャン、カンカワ氏のコメント>

※「アイツは一音を発した時から、空気がNYになる、あの音は本物だ!」

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アルバム「Bitter & High」/黒田卓也

銀座山野楽器本店にて発売中。

お問合せ、郵送依頼は、電話:03-3562-5051(代)

                                  以上

<次回に続く>

青年はニューヨークをめざした、ニューヨークはその音を認めた、ネオ・ハードバップの旗手、トランペッター黒田卓也の登場である。

ここに一人の青年を私は自信をもって紹介する。

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