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2011年2月 4日 (金)

エピソード78:武田和命の音・・・

<前回より続く>

~最近のフワついた耳ざわりだけの良さと聴き手に媚びた音色を聴いているとムナクソがわるくなってくる、そんな時、コイツを聴けと~

「Gentle Novenber」/武田和命カルテット
(テナー:武田和命、ピアノ:山下洋輔、ベース:国中勝男、ドラム;森山威夫、1979年録音)

日本のコルトレーンだった男・・・テナーサックス、武田和命1963年に銀座にあった「ジャズギャラリー8」で初めて聴いた。
ドラムは富樫雅彦、べース吉澤元治、ピアノ本田竹広。
昼間のお客もまばらなライブハウスのはしりのような空間で彼はお客など意識せずにテナーを吹き鳴らしていた。
第一印象、薄汚いグループ・・・何しろ格好がヨレヨレで我々学生服の高校生が見ても困ったカッコウだと思ったくらいだ。
何しろ、いくら客がいないとはいえ、薄汚れたレインコートを羽織ったまま、サンダル履きで演奏している。
しかし、聴くうちに耳が彼の音から離れなくなってゆく、でも音が細い、弱い・・・一体何がやりたいのだろうか・・そんな印象で、何かありそうな感じがして何度も彼の生を聴いていた。

それから数年後、今度は六本木のミスティで聴くことになる。
山下洋輔、国中勝男、森山威夫、そして武田和命・・・今度は少しはマシな格好であったがサングラス越にみる彼の顔から笑顔を見たことは無かった。しかし、その音は優しく大きな包み込む音に変わっていた。
自己の存在をシッカリと主張し音の存在感を植えつけられた。
休憩時間も終了時間も関係なく彼らは演奏を続けた。
あるときは激しく、あるときは優しく・・・彼自身の音を明確に吹きだしている。

武田和命・・・若くして他界してしまった、不出世のテナー・・・1979年のこのCD、「Gentle Novenber」を聴くとその全てが解る・・・。

最近の取るに足らない商業主義にのった外人やら日本人のジャズを聴くくらいなら、こいうジャズを聴け・・と言いたい。
そう、プロ、アマを問わず、ジャズとは何か・・・これがジャズなのだ。
若いミュージシャンは必修科目として聴け!
かって日本にはこんな気骨のあるアーティストがいたのだ。

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<次回へ続く>

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